センター通信
産業保健相談員レター 2024年2月 ~化学物質の自律的管理で産業保健活動 ヨシ!~
2024.02.01
産業保健相談員(労働衛生工学担当) 山岡 和寿
近年、化学物質の自律的管理が話題になっています。「具体的に何をすればいいのだろうか?」との質問をいただくことがあり、回答を考えていると約半世紀前の運転免許取得時の記憶が蘇りました。
座学で交通ルールや車の仕組みなどを学んだ後、いよいよ車の運転です。助手席の教官がアクセルの踏み方、ブレーキの踏み方やタイミング、方向指示器の出し方などをアドバイスしてくれました。例えばコースで「左折レーンが二本ありますが、左折後はすぐの交差点を右折するので、センターラインよりの左折レーンに入ってください」「何故だろうか?」すると教官は「そうしないと次の交差点で右折レーンに入れず、無理して入ると事故になります」など細かくアドバイスをしてくれました。運転免許取得後は当然のことですが助手席には拠り所にしていた教官の姿はなく、知らな
い道のドライブとなると、地図アプリや地図帳、カーナビ、さらにはドライブ先に精通している知人などから事前に多くの情報を入手し、天気予報で積雪の情報があると「山越えより大回りでも平地の道が安全だ! 出発時刻は・・」とリスクアセスメント(以下:RA)でリスク回避を行っています。
これまでトルエンなどの化学物質管理は、有機溶剤中毒予防規則や特定化学物質中毒予防規則などの関係法令を拠り所にして、労働安全衛生法第一条の目的を達成しています。しかし、職場には関係法令を拠り所にすることができない未規制物質があり、これらの物質で労働災害が発生しているのも事実です。このような化学物質にも「天気予報、カーナビ、地図アプリなど事前に情報が入手できる物があるといいのだが・・、ちょっと待って、あるヨ! 安全データシート(以下:SDS)が!」とSDSで情報を入手しRAでリスク回避を行います。リスク回避に当たっては、化学物質の管理について精通している化学物質管理専門家(厚生労働省が必要用件を示している)の助言を求めることも大切です。
これまでは、関係法令順守でリスク回避を行っていましたが、今後は未規制物質など多くの化学物質による労働災害を防止するため、教官がいなくても化学物質管理に精通している専門家の助けを借りるなどして、各事業場でSDSなどから情報を収集し、RAで化学物質取扱いの安全運転ができるようになることが求められているのではないでしょうか。
事業場における化学物質の自律的管理は、SDSなどで危険有害性の情報共有やRAの実施が不可欠となります。今後の産業保健活動の一ページに加えていただければ幸いです。 「ご安全に!」近年、化学物質の自律的管理が話題になっています。「具体的に何をすればいいのだろうか?」との質問をいただくことがあり、回答を考えていると約半世紀前の運転免許取得時の記憶が蘇りました。
座学で交通ルールや車の仕組みなどを学んだ後、いよいよ車の運転です。助手席の教官がアクセルの踏み方、ブレーキの踏み方やタイミング、方向指示器の出し方などをアドバイスしてくれました。例えばコースで「左折レーンが二本ありますが、左折後はすぐの交差点を右折するので、センターラインよりの左折レーンに入ってください」「何故だろうか?」すると教官は「そうしないと次の交差点で右折レーンに入れず、無理して入ると事故になります」など細かくアドバイスをしてくれました。運転免許取得後は当然のことですが助手席には拠り所にしていた教官の姿はなく、知らない道のドライブとなると、地図アプリや地図帳、カーナビ、さらにはドライブ先に精通している知人などから事前に多くの情報を入手し、天気予報で積雪の情報があると「山越えより大回りでも平地の道が安全だ! 出発時刻は・・」とリスクアセスメント(以下:RA)でリスク回避を行っています。
これまでトルエンなどの化学物質管理は、有機溶剤中毒予防規則や特定化学物質中毒予防規則などの関係法令を拠り所にして、労働安全衛生法第一条の目的を達成しています。しかし、職場には関係法令を拠り所にすることができない未規制物質があり、これらの物質で労働災害が発生しているのも事実です。このような化学物質にも「天気予報、カーナビ、地図アプリなど事前に情報が入手できる物があるといいのだが・・、ちょっと待って、あるヨ! 安全データシート(以下:SDS)が!」とSDSで情報を入手しRAでリスク回避を行います。リスク回避に当たっては、化学物質の管理について精通している化学物質管理専門家(厚生労働省が必要用件を示している)の助言を求めることも大切です。
これまでは、関係法令順守でリスク回避を行っていましたが、今後は未規制物質など多くの化学物質による労働災害を防止するため、教官がいなくても化学物質管理に精通している専門家の助けを借りるなどして、各事業場でSDSなどから情報を収集し、RAで化学物質取扱いの安全運転ができるようになることが求められているのではないでしょうか。
事業場における化学物質の自律的管理は、SDSなどで危険有害性の情報共有やRAの実施が不可欠となります。今後の産業保健活動の一ページに加えていただければ幸いです。
「ご安全に!」