センター通信
産業保健相談員レター 2025年3月 ~「 メンタルヘルス不調者の職場復帰支援について 」~
2025.03.01
メンタルヘルス対策相談員 尾原寿子
1. はじめに
心の健康問題で休業している労働者が円滑に職場復帰するためには、職場復帰支援プログラムの策定などにより休業から復職までの流れを明確にしておくことが必要です。厚労省は「職場復帰支援の手引き」を策定し、衛生委員会での調査審議、職場復帰支援に関する体制整備とルール化、教育の実施などにより労働者への周知を図るよう促しています。手引きの概要と各ステップにおける留意点について実務に携わってきた経験から補足解説します。
2.職場復帰支援の流れ(手引きによる)
(1)第1ステップ(病気休業開始及び休業中のケア)
(2)第2ステップ(主治医による職場復帰可能の判断)
(3)第3ステップ(職場復帰の可否判断および職場復帰支援プログラムの作成)
(4)第4ステップ(最終的な職場復帰の決定)⇒職場復帰
(5)第5ステップ(職場復帰後のフォローアップ)
3.職場復帰支援の各ステップ留意点
<第1ステップ(病気休業開始及び休業中のケア)>
職場の管理監督者は休業中も部下の状況を把握する必要がある。休業者に対し月に1回は療養報告(体調・通院状況・主治医の見解・復帰の見込
み等)をさせる。
<第2・3・4ステップ(職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成)>
職場復帰の大原則として以下の3点すべてが揃わなくてはならない。
① 本人の意思:本人に復帰の意思があり、復帰に向け生活リズムを整えている。
② 主治医の保証:主治医が書面で「通常勤務」が可能と保証している。診断書の内容を元に必ず産業医に検証してもらう必要がある。
➂職場の受け入れ:配慮を行える職場を提供できる。ただし、配慮内容は職場が許容できる範囲であること。
<第5ステップ(職場復帰後のフォローアップ)>
必要により就業配慮しながらフォローアップを行う。管理監督者は必要時(目安:1回/週)本人と面談し体調確認を行い問題があれば健康管理部門と対応を協議する。フォロー期間は事例にもよるが概ね復職後4~6週間必要である。
4.終わりに
メンタルヘルスによる休業者の職場復帰支援で重要なことは、職場復帰の際には必ず関係者(本人・産業医・健康管理担当者・人事部門・職場の管理監督者等)で面談を行い対応を協議することです。このことは復職に関するリスク分散にも役立ちます。また、上記のステップを確実に踏むことを社内でルール化(復職のハードルを決めておく)することが再休業防止に役立ちます。