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産業保健相談員レター 2023年4月 ~受動喫煙症~
2023.04.03
産業保健相談員(産業医学担当) 津谷 隆史 先日、40才台の女性が外来受診されました。職場の席替えで同室者の呼気からのタバコ臭で頭痛、めまい、嘔気が出現するための診断書作成希望でした。この方は、初診のため症状病名で診断書を作成し、受動喫煙が原因の可能性は否定できない。とのコメントをいれました。現在、受動喫煙に悩まれておられる方は多いと思います。今回は、受動喫煙の被害そのものを受動喫煙症と診断する...
産業保健相談員レター 2023年3月 ~視点~
2023.03.01
産業保健相談員(産業医学担当) 水津 純江 生きていればいろんなことが起こる。振り返れば笑い話でも、渦中では「この世の終わりか」と感じることもある。 私もそう。では、どうやって切り抜けたのか。 もちろん周囲の協力や手助けもあった。しかし、自分を理解し手を差し延べてくれる誰かがいつもいたわけではない。それでも何とかやってきた。私はどう試練を乗り越えてきたのだろうか。 自問した際に感じたのは、自分の...
産業保健相談員レター 2023年3月 ~依存症対策、取り組んでいますか?~
2023.03.01
産業保健相談員(カウンセリング学担当) 菰口 陽明 「もっと早く病気だと知っていればよかった・・・」 私がアルコールや薬物、ギャンブル等による依存症を抱えるクライエントや家族から何度も聞いてきた言葉です。医療機関のソーシャルワーカーとして彼らの回復支援にかかわるなかで、彼らと出会った時には身体的、心理的、社会的に失っているものも大きく、早期介入と職域等の関係機関との連携の必要性を強く感じてきまし...
産業保健相談員レター 2023年2月 ~健康統計で知っておきたいヒストグラムの基礎知識(産業医学一口メモ)~
2023.02.01
産業保健相談員(産業医学担当) 吉岡 嘉暁 産業保健スタッフの皆さんは従業員の健康データからグラフや図を作成されることも多いと思います。ヒストグラムは度数分布をグラフにしたもので、健康統計ではよく作成される基礎的なグラフです。データの平均やばらつきの形状が視覚的によく観察できます。 健康診断のデータなどから度数分布表やヒストグラムを作成する際、データを区切る区間の数や間隔に悩まれることも多いと思...
産業保健相談員レター 2023年1月 健康経営に貢献する森林資源を用いた新たな健康づくり ~「森林セラピー」への誘い~
2023.01.05
産業保健相談員(産業医学担当) 小林 敏生 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中で、過大なストレスを抱える労働者が増加しています。その中で、オープンスペースである自然環境への滞在やリモートワークの健康増進効果に注目が集まっています。2021年および2022年の広島産業保健総合支援センターの研修会においても、「職場での森林セラピーを用いたメンタルヘルス対策」として、森林セラピー基地のある広島...
産業保健相談員レター 2022年12月 冬場に増加する電気火災に注意しましょう!~職場のデスク回りの危険チェックをしておきましょう~
2022.12.27
産業保健相談員 吉岡 嘉暁 長期間コンセントにプラグを差し込んでいると、プラグの部分にチリやホコリがたまります。このチリやホコリが水分を吸収すると、プラグ部分が発火し、火災の原因になることがあります。この発火現象(トラッキング現象)の防止のために、長期間差し込んだままになっているプラグは定期的にコンセントから抜いて、乾いた布などでプラグとコンセントを清掃されることをお勧めします。(中国電力ネット記...
産業保健相談員レター 2022年12月 ~「無事是名馬」を超えて ~ 治療と仕事の両立に思う~
2022.12.27
産業保健相談員 木谷 宏 かつて企業や組織で働く人々に浸透していた価値観に「無事是名馬(ぶじこれめいば)」がある。これは競走馬を指して、(能力が多少劣っていても)怪我なく無事に走り続ける馬が名馬であるとする格言であり、馬主でもあった作家、菊池寛の造語であると言われている。筆者も企業人としての長い経験があり、この言葉は常に自分の傍らにあった。古い話だが入社間もない頃に風邪をひき、体調不十分なまま会議...
産業保健相談員レター 2022年9月 ~産業医から見た健康経営時代の上司(管理職)像について(産業医学一口メモ)~
2022.12.27
産業保健相談員 吉岡 嘉暁1 過去の管理職の状況 過去の管理職の仕事は業務のスキルや営業マネジメントに重点が置かれていたと思います。職場の人間環境(コミュニケーション等)の快適さや業務環境の快 適さといったことのマネジメントはおろそかにされていたのではと思います。 社内ハラスメントは職場を内部から破壊する企業に対する敵対行為ですが、そういう認識は薄かったと思います。困ったなとは思いながらも、どう対...
産業保健相談員レター 2022年9月 ~酸素欠乏・硫化水素中毒災害防止について思うこと~
2022.12.27
産業保健相談員 大西 修三 ガス災害による死傷者が後を絶ちません。これらの業務上災害の現状をみると、酸素欠乏・硫化水素中毒で毎年10人前後の死亡が発生しています。また、一酸化炭素中毒でも毎年数人の死亡が発生しています。これらは、労働災害による死亡者ですが、労働災害以外の死亡者を加えますと更に多くの人が、死亡しているものと考えられます。 労働環境下における酸素欠乏場所、硫化水素発生場所では当該の作業...
産業保健相談員レター 2022年8月 ~『職域におけるがん対策について考える』~シリーズ4:化学物質による健康障害の注意点
2022.12.27
産業保健相談員 升味 正光 現在までに、我が国の職域で使用されている化学物質は、約60,000種類に達する。さらに需要の多様化に伴い、新規に導入される化学物質は増加し、年間1,000種類以上となっている。又、取り扱う化学物質の種類や取扱方法も多品種少量生産など頻繁に変化している。 一般的に化学物質は、危険性や有害性を持つものが多く、これらにより生じる健康障害は、高濃度ばく露後短時間で発症する急性中...